未登記建物の調査は厄介です

 

 

先月、北摂の某市において工業地域内の車両整備工場の現地調査と行政調査に出かけました。
現地調査では、建物図面と現況の建物とを照合しますがどうやら建物の一部の形状が登記されている平面図と異なっていて、増築後未登記のまま現在に至っているようです。念のため、所在地の市役所の建築指導課で問い合わせても、増築部分についての建築確認の履歴がはっきりしません。帰宅後、国土地理院のホームページから航空写真を調べてみたら、どうやら今から約30年前に昭和末期から平成初頭にかけて一部増築されている様子が伺えます。なお、現地調査時に訪問先事業所様の総務ご担当者様に予め建物の増改築の有無について問い合わせても記憶にないとのことで、企業や事業所のご担当者が代変わりされてしまうと、引き継ぎされないこともあるのかもしれません。
結局、報告書には現地訪問時の写真において件外建物(明確に登記記録上存在していない鉄骨造二階建建物)との記載のほか、先述の航空写真との照合などから増築後未登記のまま現在に至っているとの旨、報告書に記載しました。
金融機関にとって建物増築部分が未登記のままだと、不動産担保ローンなどの融資を実行する際、融資希望者に対し担保権設定と同時に増築部分に関しての表題変更登記を求められます。かつては、未登記建物が存在したまま抵当権者による不動産競売が行われると、未登記建物に抵当権の効力が及ばないため、売却後に建物に関して第三者が権利を主張する可能性すらあったのですが、抵当権者でもある金融機関も担保価値の維持を図りたいことと、万が一債務者の返済が滞った場合の迅速な任意売却若しくは抵当権実行としての競売手続に備えようとします。
もし、増築部分を未登記のままにしていたり、先祖より引き継いだ未登記の古い建物がおありなら、是非表題登記の上所有権保存登記をされることが良いかと思います。写真は、昔に造成された古い住宅地に見られる掘り込み式車庫と増築を繰り返したものと思われる工場の裏手を隣接地越しに見た様子です。いずれも、調査時点では、未登記又は表題部の数量が更正されていませんでした。